ノミ・ダニの予防について
ノミ・ダニについて
ノミやダニが「今ついてないから大丈夫」ではなく、つく前に「つかないように」予防してあげることが大切です。
ノミやマダニの駆除・予防策には、いくつもの効果的な方法が知られています。
駆除剤のタイプによって効果に違いがありますので、獣医師に相談のうえ、ご自身のペットの状態に適した方法を選んでください。
治療の目安としては、通常は月に1回の投薬で容易に予防できます。
なお、ノミ・ダニの駆除で一つ気をつけなければいけないのは、ノミやダニを見つけても潰さないということです。
メスの成虫は体内に卵をもっていますので、潰すと卵が辺りに飛び散ってしまうのです。
また、卵やサナギが落ちている可能性がありますので、部屋は念入りに掃除することが大切です。
ノミ・ダニ感染症について
ノミは哺乳類や鳥類から吸血する昆虫です。1匹のノミは最高で約400個の卵を生みます。
卵はふ化して幼虫→さなぎを経て成虫のノミとなり、寄生したペットから吸血してさらにそのノミが卵を生みます。
ノミは寄生したペットの被毛に産卵するため部屋の中にも卵がまき散らされることになります。
ノミが引き起こす病害について
ノミが犬や猫を吸血することで痒みをひき起こしますが、それ以外にも病害を起こす可能性があります。
- アレルギー性皮膚炎
- ノミの唾液がアレルゲンとなり、たった1匹のノミに刺されただけでも強い痒みを伴う皮膚炎が起こります。
- 瓜実条虫
- ノミの体内に瓜実条虫の幼虫が入っていることがあり、その幼虫が口から犬や猫の体内に入ることにより感染します。
便に白い米粒のような片節という条虫の体の一部が混じることがあります。
ノミは人にも病害を引き起こすことがあります。
猫ひっかき病、ノミ刺咬症、瓜実条虫症などです。
マダニについて
マダニもノミ同様、犬や猫から吸血しますが、ノミとは異なり昆虫ではなくクモの仲間です。
マダニは草の葉の裏などで、寄生する動物が近づいてくるのを待ちます。
動物が近づくと、葉から動物の身体に飛び移り寄生を開始します。
ダニは幼ダニ→若ダニ→成ダニと成長していきますが、それぞれの過程で違う宿主に寄生をします。
つまり一匹のダニは生涯にわたり3匹の動物に寄生することとなります。
マダニが引き起こす病害について
- 貧血
- ダニが大量に寄生し吸血することにより、貧血を引き起こします。
- アレルギー性皮膚炎
- マダニの唾液がアレルゲンとなり強い痒みを伴う皮膚炎を起こします。
- 人獣共通感染症
- マダニは多くの人獣共通感染症を媒介する危険があります。
バベシア症、日本紅斑熱、ライム病、Q熱、エールリヒア症 などがあります。
これらの病気は犬などのペットだけでなく、人にも大きな被害を及ぼす可能性があります。
テレビでも大きく報道された重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やオズウイルス感染症もマダニが媒介する病気の一つです。 - ダニ麻痺症
- 今のところは日本には生息しておりませんが、世界のマダニの中には種類によって唾液中に毒性物質を産生するものがいます。
そうしたマダニに吸血されると神経障害を起こすことがあります。
予防方法について
- スポットオンタイプ
- 背中に薬液を塗布し、皮膚から吸収されるタイプのお薬です。
- 内服薬
- 経口のお薬です。チュアブルタイプのお薬なので、背中につけるお薬を気にする子におすすめです。
経口薬なので、すぐにシャンプーができるのもポイントです。
飼い主が日頃から注意したいこと
ノミやダニは1年中活動していますので、年中予防するのが理想的です。下記のような対策が効果的です。
- ペットの布団、マットは掃除をし、天気の良い日は天日干しする(日光消毒)。
- ノミ・ダニがたくさんいる草むらなどには、できるだけ入らないようにする。
- ブラッシング等で、ノミやダニがいないかをチェックする。